アメリカ暮らし備忘録

アメリカ暮らしもそろそろ10年、ここら辺でわたしの知ってるいろいろなことを記すブログを始めてみようと思いました。

【NFL2019・エピソード2】アントニオ・ブラウンのオークランド・レイダース解雇に揺れるアメリカ

こんにちは、ネビルです。

 

ステレオタイプ信者というわけではないんですが、アメリカで仕事をしているとやっぱりアメリカ人ってキャラクターの濃い人が多いなあと思います。

もちろんそれはセレブリティとて同じことで(むしろもっとキャラ濃い気がする)、NFLシーズンがはじまると毎年なにかしらのドラマが巻き起こるのですが…。

一つ前のドラマはこちら↓

ayumineville.hatenablog.com

今朝、シーズン初戦直前でまた起こりました。今回のはかなりドラマティックです。

 

今回のドラマの主役はアントニオ・ブラウン(Antonio Brown)。

イニシャルをとってABと呼ばれるワイドレシーバーです。

2010年にピッツバーグ・スティラーズからドラフト指名をうけ、昨シーズンまでスティラーズでプレーしていたのですが、今シーズンからレイダースの一員となりました。

「俺をMBC(Mister Big Chest =ミスタービッグチェスト、胸筋ムキムキマン)と呼んでくれ」とSNSに投稿したこともあるオラオラ系選手で、筋肉だけではなく選手としての腕もトップクラスのスター選手です。

レイダースファンも「すごい選手がきたぞ」と2019年のシーズン開幕で彼の勇姿を見るのを楽しみにしていたのですが…。

 

そんな彼が、今朝レイダースから電撃解雇され、アンドリュー・ラックが電撃引退したことなんてもう話題にならないくらいアメフト界に衝撃が走っているんです。

 

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ことの始まりは、今年の夏。

サマーキャンプがはじまる前に、ABは、cryotherapy(クライオセラピー、冷凍療法)つまり筋肉を急激に氷点下まで冷やすことによって筋肉疲労を回復させるという”治療”を受けにフランスへ飛びます。

ところが、それがきっかけでひどい凍傷になってしまい、サマーキャンプへの参加をキャンセルすることに。

 

これが、数年前にABがアメフトゲーム「Madden NFL」のカバーボーイに選ばれていたことから、このブログでもご紹介した”Madden Curse(マッデンの呪い)”なのではないかと都市伝説好きのアメフトファンの間で話題になったのですが、それは置いておくとして…。

「マッデンの呪い」についてはこちら↓

ayumineville.hatenablog.com

 

その後、シーズン前の練習に復帰したABでしたが、今度はNFLが公式ヘルメットの仕様を変えたことに激怒。

我らがグリーンベイ・パッカーズのQBアーロン・ロジャースなど、他にもいろいろな選手が難色を示しつつこのヘルメットの新仕様を受け入れたのですが、「はいわかりましたよ」と簡単にいかないのがAB。

なんと古いヘルメットにペインティングをし、新しいヘルメットに”偽装”して練習に参加するという暴挙に出たんです。

それがチームにバレて脱ぐよう言われると、今度は練習を放棄し、練習を放棄し続けたことに対してチームから罰金を払うよう命じられることに。

そしてその後、チームから送られた手紙を無断でSNSに投稿し、またまた悪い意味で話題をかっさらいました。

 

実はAB、以前所属していたピッツバーグ・スティラーズ時代には試合後のロッカールームの様子を違法に動画配信するなど、なにかと悪い意味でも話題になることの多い選手でした。

そんな過去もあり、この頃から「あいつはやっぱりやばい奴かもしれない」とレイダースファンの間でもABの移籍は喜ばしいものではなかったのではないかという声があがってきていました。

 

その後、「このヘルメットには納得いかない」とNFLを訴えるとまで言い出したABに、残念ながら「気持ちはわかるが落ち着け」という選手やファンからの声は届きません。

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ヘルメットのことやチームの対応に納得のいかないABは、2週間前にカナダで行われたグリーンベイ・パッカーズとのプレシーズン試合にも姿を表すことなく、また罰金処分となります。

 

そして先日、試合放棄だけでは満足できないABは、今度はオフィスで「罰金とはどういうことだ」と大暴れ。 ウワサではマネージャーに椅子を投げたとか投げなかったとか…。

 

で、昨夜のことです。

 

またまた無断でコーチとの電話のやりとりを動画にして

「俺はフットボール選手の”AB”である前に”アントニオ・ブラウン”というひとりの人間なんだ。俺はみんなが言うように悪いやつじゃないということを見てくれ。Free me!」

と、チームに「俺をクビにしてくれ」と言わんばかりのインスタグラム投稿をしたAB。

  

この動画の数時間後、彼の望み通りABはレイダースから解雇されることになったのでした。

 

たしかにABの行動は彼がその後インスタグラムに投稿したとおり「自分にとって一番ベストな行動」と取ることもできます。

 
 
 
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自分にとってベストな道を選ぼうとすると、周囲の人の怒りを買うことになる」

 

ただ、”ロッカールーム盗撮配信事件”をはじめとするスティラーズ時代の問題行動もあり、この投稿には

「(この解雇は)自分で巻いた種だ」

「自分でクビにしろって頼んだだろう?」

「自分の才能を自分で無駄にするなんてなんて愚かなんだ」

といった辛辣なコメントが集まっています。

 

また、レイダースファンからの

「俺が10歳の息子に買ってやったお前の名前入りユニフォームに使った100ドルを返してくれ」

という悲しいコメントも。

 

まさに”鳴り物入り”でレイダースに入団し、1試合も出場せず解雇となったABことアントニオ・ブラウン。これからの動向に注目が集まっています。

 

こちらでは「ほかのチームが必要としなくなったトラブルメーカーを受け入れる」で有名なニューイングランド・ペイトリオッツがABと契約を結ぶのではないか?というウワサ(というかむしろジョーク)がまことしやかにささやかれている…ということも追記しておきます。

前例を考えると、もしかしたら本当にペイトリオッツのユニフォームを着たABを見る日が来るかもしれません…。

 

追記の追記。

ペイトリオッツと本当に契約したようです。LOL

 

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